【知って節約】エコキュートの最適な沸き上げ時間は何時?仕組みと設定を解説
「エコキュートって、夜中に動いているみたいだけど、どれくらいの時間で沸かしているの?」「電気代が安い時間帯を、ちゃんと使えているか知りたい」
そんな風に、エコキュートの「沸き上げ時間」について疑問を持っていませんか?
沸き上げ時間は、そのまま電気代の節約に直結するので、正しい知識を持つことが大切です。
エコキュートの沸き上げ時間は、季節や設定、お湯の使用量によって変わりますが、標準的な沸き上げにかかる時間は夜間に約5時間から8時間です。
その理由は、エコキュートが主に電気代が安くなる「深夜電力」の時間帯を使って、効率よくお湯を貯めるように設計されているからです。この安い時間帯をしっかり活用できるかが、節約の分かれ目になります。
具体的に、夏場で残っているお湯が多い場合(タンクに余裕がある場合)は、沸き上げ時間は3時間程度で済むこともあります。しかし、冬場でタンクが空に近い場合、8時間以上かかることもあります。
この記事を読めば、あなたの家のエコキュートが今、どれくらいの時間沸き上げているのか、そしてどう設定すればもっと電気代を安くできるのかがわかります。今日からすぐに、リモコンの設定をチェックして、沸き上げ設定を見直してみましょう。
エコキュートの沸き上げ時間の仕組みとは?
エコキュートが、どうやってお湯を沸かす時間を決めているのか、その仕組みをわかりやすく説明します。この仕組みを知ると、なぜ夜中に動いているのか、なぜ時間が変動するのかが理解できます。
沸き上げ時間の基本は「深夜電力」の5時間から8時間
ほとんどのエコキュートは、電力会社が設定している電気料金の安い時間帯(主に夜間)を利用してお湯を沸かします。これを「深夜電力」と言います。
一般的な深夜電力の時間帯は、夜11時頃から翌朝7時、または夜10時頃から翌朝6時までの8時間です。エコキュートはこの限られた時間内で、その日に必要なお湯をすべて沸かし終える必要があります。
そのため、標準的な沸き上げにかかる時間は5時間から8時間が目安となります。
お湯を沸かす仕組みは、外の空気の熱を利用するヒートポンプ式です。これは、魔法瓶(まほうびん)のような貯湯タンクの中のお湯を熱くする作業です。この作業は、お湯の量と温度によって大きく時間が変わります。
沸き上げ開始時間と終了時間は設定で変えられます
エコキュートの沸き上げは、基本的に「おまかせ」設定にしておけば、機械が自動で最適な開始時間と終了時間を決めてくれます。
しかし、リモコンから手動で「沸き上げ開始時間」や「終了時間」を変更することも可能です。たとえば、契約している電力プランによっては、深夜の電気代が最も安くなる「数時間」に限定して沸き上げを行うよう設定できます。
ただし、安くなる時間帯を短く設定しすぎると、お湯が沸き切らずに朝を迎えてしまい、結果的に電気代が高い昼間に沸き増し運転をしてしまうことになりかねないので、注意しましょう。
エコキュートはなぜ夜間に沸き上げるの?深夜電力が安くなる理由
エコキュートの沸き上げ時間を語る上で、深夜電力の存在は無視できません。なぜ電気代が夜だけ安くなるのか、その背景を知ることで、エコキュートの節約効果をより深く理解できます。
電力会社の契約プランとお得な時間帯の関係
電力会社は、発電所が24時間体制で稼働しているため、夜間の電気を昼間よりも割安な価格で販売しています。これが深夜電力と呼ばれる時間帯です。
- 昼間(割高): 企業や工場が多く動き、一般家庭でも電気を多く使うため、電気の需要(使う量)が高くなります。
- 夜間(割安): 企業や工場が停止し、電気の需要がグッと下がるため、余った電気を安く提供することで、発電所の稼働を一定に保とうとします。
エコキュートは、この電気代が最も安い深夜の時間を狙って自動でお湯を沸かすように設計されています。この安価な時間帯に沸き上げ時間を集中させることで、電気代の節約が実現しているのです。もし昼間に沸き上げをすると、電気代は数倍になってしまいます。
沸き上げ時間が長くなる(電気代が高くなる)3つの原因
エコキュートの沸き上げ時間が長くなると、電気代がかさむ原因になります。あなたの家のエコキュートの沸き上げ時間が長いと感じたら、次の3つの原因がないかチェックしてみてください。
原因1:冬場など外気温が低い季節である
エコキュートは、エアコンと同じく外の空気の熱を使ってお湯を沸かします。そのため、冬場は外気温が下がるため、沸き上げの効率が下がってしまいます。
水道から貯湯タンクに入る水温も冷たくなるので、同じ量のお湯を沸かす場合でも、夏場と比べてより多くの時間と電力が必要になります。
特に外気温が氷点下になるような寒い地域では、沸き上げ時間が最大で2~3時間ほど長くなることがあります。
原因2:前日のお湯の使用量が多かった(湯切れに近い)
貯湯タンク内に残っているお湯の量が少なければ少ないほど、次に沸かさなければならないお湯の量は多くなります。これは当然、沸き上げ時間が長くなる理由になります。
たとえば、家族みんながシャワーを長く使ったり、浴槽のお湯を入れ替えたりして、夜の時点でタンクがほとんど空になってしまった場合、エコキュートは深夜電力が終わるまでにフルパワーで長時間沸かし続けることになります。
原因3:「おまかせ」ではない設定にしている
エコキュートには、「多めに」「少なめに」「おまかせ」など、いくつかの沸き上げ設定があります。
もし「多めに」や「満タン」といった設定にしている場合、前日に使ったお湯の量にかかわらず、タンク全体を高温のお湯で満たすまで沸かし続けます。これは安心ではありますが、必要以上の量のお湯を沸かすため、結果的に沸き上げ時間が長くなり、電気代も高くなります。
電気代を節約する!エコキュートの沸き上げ設定のコツ
沸き上げ時間を短くしたり、効率よく電気を使ったりすることで、電気代の節約が可能です。誰でもすぐにできる、エコキュートの設定のコツを紹介します。
設定の基本は「おまかせ」モードにすること
ほとんどの場合、エコキュートの「おまかせ」モードを使うのが一番の節約につながります。
「おまかせ」モードとは、過去数日間の家族のお湯の使用量を機械が自動で学習し、これから使うお湯の量を予測して、必要な分だけを沸かす賢い機能です。
これにより、お湯が足りなくなる心配を減らしつつ、無駄な沸き上げを防ぐことができます。まずはこのモードに設定されているか、確認してみましょう。
沸き上げ温度を下げると節約になる?注意点も解説
「沸き上げ温度」とは、貯湯タンクの中でお湯をどれだけ熱くするかの設定です。これを低く設定すれば、沸き上げに必要な時間が短くなるため、電気代が安くなるのは事実です。
しかし、設定を下げる際には注意が必要です。
| 沸き上げ温度の設定 | メリット | デメリット(注意点) |
|---|---|---|
| 高く設定(85℃~90℃) | 湯切れしにくく、衛生面で安心感が得られます。 | 沸き上げ時間が長くなり、電気代が高くなる。 |
| 低く設定(65℃~70℃) | 沸き上げ時間が短縮され、電気代が安くなる。 | 湯切れしやすくなる。特に冬場はぬるく感じやすい。 |
設定を下げすぎると、タンクの衛生を保つための高温殺菌運転が必要になる場合があります。そのため、まずは標準設定(約75℃〜80℃)のままで、その他の設定を見直すのがおすすめです。
家族構成と合わせてタンクの容量を見直す
エコキュートのタンク容量が、家族の使用量に対して小さすぎると、毎日タンクが空になってしまい、沸き上げ時間が長くなります。逆に大きすぎると、毎日必要のないお湯まで沸かし続けることになり、無駄が生じます。
現在の家族構成とタンク容量が合っているか、以下の目安で確認してみましょう。
| 家族の人数 | おすすめのタンク容量 |
|---|---|
| 1~2人 | 200L~320L |
| 3~5人 | 370L(標準的) |
| 5~7人 | 460L |
もし設置から時間が経ち、家族の人数が大きく変わっている場合は、沸き上げ時間の長さや電気代を考える上で、タンクの買い替えも視野に入れると良いかもしれません。
「湯切れ」したときの沸き増し時間はどれくらい?
エコキュートの一番の不安要素は「湯切れ」です。急な来客や、お湯の使いすぎで湯切れが起きてしまったとき、次に沸き増しをするのにどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
急ぎで沸かす場合と標準で沸かす場合の目安時間
湯切れが起きた場合、リモコンの「沸き増し」ボタンを押して、緊急でお湯を沸かし始めます。この時の沸き上げ時間は、どれくらいのお湯が必要かによって変わります。
| 沸き増しモード | 必要な時間(目安) | 沸かすお湯の量 |
|---|---|---|
| 少量沸き増し(急ぎ) | 約30分~1時間 | シャワー1〜2回分 |
| 標準沸き増し | 約2時間~3時間 | お風呂1回分程度 |
ただし、日中の沸き増しは電気代が高い時間帯に行われるため、通常の深夜電力で沸かすよりも数倍高い電気代がかかってしまいます。お湯の残量には注意を払いましょう。
頻繁な沸き増しが電気代を上げる理由
「湯切れ」は避けられたとしても、頻繁に「沸き増し」機能を使ってしまうと、電気代は確実に高くなります。これは、沸き増し運転が電気代の安い夜間ではなく、電気代が高い昼間や夕方に行われるためです。
たとえば、夜間の電気代が1kWhあたり10円だったとしても、昼間の電気代は30円や40円になるプランもあります。この差は大きく、1日に必要な湯量のすべてを沸き増しに頼ってしまうと、年間で数万円の無駄につながることもあります。
頻繁に沸き増しをする場合は、「おまかせ」モードではなく「多めに」モードに設定し直すか、契約している電力プランの時間帯を見直す方が賢明です。
まとめ
この記事では、エコキュートの沸き上げ時間をテーマに、その仕組みと節約するための設定のコツを解説しました。
- 最適な沸き上げ時間:電気代が安い深夜電力の時間帯(5時間~8時間)を活用することが大切です。
- 時間が長くなる原因:冬場の外気温の低さや、前日のお湯の使用量の多さが主な原因です。
- 節約のコツ:まずは「おまかせ」モードに設定し、機械に賢く沸き上げを任せることが、一番簡単で確実な節約術です。
エコキュートは、設定を少し変えるだけで、電気代を大きく変えることができる便利な家電です。この記事を参考に、あなたのおうちの最適な沸き上げ時間を見つけて、快適なエコキュート生活を送ってください。
