エコキュートの交換にはどれくらいの費用がかかる？ 相場や交換の目安となる症例、利用可能な補助金なども徹底解説！
個人の住宅でも省エネや自家発電など、環境保全に向けた対策が施された住宅設備が普及しています。
なかでも家庭生活においてもっともエネルギーを消費するといわれる給湯周りの設備については高効率給湯器の発展・普及が進んでおり、そのうちの一つに「エコキュート」が挙げられます。
エコキュートは電気をエネルギー源として稼働し、温室効果ガスをほとんど排出しないクリーンさ、そしてランニングコストの高さから地球にも家計にもやさしい給湯器として注目度が高まっています。
そんなエコキュートは登場してまだ20年ほどの新しい機器ではありますが、経年劣化や故障等によって交換が必要なケースも当然あります。
そこで本記事ではエコキュートの交換費用の相場はいくらくらいなのか、交換の目安となる症例を交えつつ、その際に利用できる補助金についても解説します。
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エコキュートとはどんな給湯器？
最初にエコキュートとはどのような給湯器であるのか、その仕組みなどを改めて見ておきましょう。
エコキュートは電気をエネルギー源として稼働することはすでに述べましたが、たとえば電熱式の電気給湯器のように電気の熱を用いて水を温めているわけではありません。
エコキュートには冷蔵庫やエアコンの室外機などと同様の原理で動く熱交換装置、「ヒートポンプ」が搭載されており、これによって大気中の熱を集めて水をお湯に変えています。
もちろん外気温を収集するだけでお湯を得られるほどの温度に高めることは不可能ですが、これを実現しているのがヒートポンプの機能です。
ヒートポンプの内部には「冷媒」と呼ばれる気体が循環しており、それには二酸化炭素を用いています。この冷媒で大気中の熱を収集し、圧縮すると気体は温度が上がるという性質を利用して高熱を得るというのが基本的な仕組みです。
エコキュートはこのようにして得た熱を水に伝えることによって、60℃程度のお湯を作り出します。
また、気体は逆に開放することで温度が下がる性質を利用し、水に熱を伝えた後の冷媒は開放して温度を下げ、繰り返し大気中の熱を集めるようになっています。
さらにエコキュートは電気料金が安い夜間を中心に稼働することが前提で、「貯湯タンク」にお湯をためておくという構造も特徴的です。
そうして貯蔵したお湯を各所で設定された温度になるよう適宜水で割りながら給湯することから、無駄なエネルギー消費を抑えて優れたランニングコストを実現しています。
エコキュートの耐用年数はどれくらい？
高効率な給湯でランニングコストを低く抑えられるエコキュートですが、その耐用年数はどの程度のものなのでしょうか。
一般的にはヒートポンプユニットで5～15年、貯湯タンクは10～15年とされていることから、エコキュート総体としての耐用年数は15年程度を目安に考えればよいといえるでしょう。
ただしエコキュートが製品化されたのは2001年のことで、登場からまだ20年あまりの歴史が新しい家電製品です。そのため耐用年数の正確なデータは十分に蓄積されているとはいい難く、大切に使えば15年という目安を超えて使用できるケースも当然想定されます。
ですが使用しているうちに軽度な不調や部品類の劣化などは避けられない事態で、たとえ深刻な症状ではなくとも安全性を考慮するとこまやかな日々のメンテナンスは不可欠なものです。
状況によっては新型機種への交換も必要な措置であり、安全面を優先した選択肢として重要です。
エコキュートの交換にかかる費用の相場はいくらくらい？
ではエコキュートを新型機種に交換する場合には、どの程度の費用が相場となるのでしょうか。
実際には一概にいくらというのは難しく、交換する機種のグレードや業者の価格設定、工事そのものの内容や設置条件など諸々の事情によって大きく変動します。
しかしごく大まかな費用相場感としては、40～50万円程度とされるケースが一般的といいます。
すでにエコキュートを使用しており、その機器を取り替えることから配管や配線、危機を据え付けている基礎・土台などをそのまま受け継いで使えることもあり、高機能モデルの新配管など追加工事が必要でない限りは一から導入するよりも価格は抑えられるといえるでしょう。
一例としては、エコキュートの交換費用について60％弱が40～50万円程度、50～60万円の価格帯が次点という統計があります。
同じ統計の3位は60～70万円程度ですが、全体で見ると10％程度の割合であることから一部のハイエンドモデルでの結果が反映されたものとも考えられます。
上記の40～50万円というボリュームゾーンが一般的なエコキュートの交換費用相場の目安であるといってよいでしょう。
エコキュートの交換で価格差が生じるポイントは？
エコキュートの交換にかかる費用相場を述べてきましたが、状況によっては価格に差が出ることについても触れました。では、具体的にはどのような項目が挙げられるのでしょうか。
以下に交換の際に価格差が生じる原因となる、代表的な4つのポイントについて見ていきましょう。
貯湯タンクの容量
エコキュートの貯湯タンクにはいくつかの容量バリエーションがラインナップされており、世帯の構成や日々使うお湯の量などから最適なサイズを選ぶのが基本です。
貯湯タンクユニットの容量は550/560L・460L・370Lといった区分が一般的で、たとえば370Lだと3～5人の世帯が1日に使用する湯量をまかなえるとされています。
先に述べたようにタンクのお湯は適宜水で割って供給されるため、実際には370Lを超える湯量を使えることになります。
ただしメーカーによっては上記以外のタンク容量の機種も展開されている点に注意が必要です。
こうした貯湯タンクの容量が大きくなるほど基本価格は高くなるため、必要量を正確に把握したうえで選択することが肝心です。
オプション機能の有無とグレード
エコキュートはハイエンドモデルになるとさまざまなオプション機能が設定されており、この有無とグレードが価格を左右する要因の一つとなります。
高機能なオプション機能の代表例でいえば「バブルバス」「除菌」「熱回収」「太陽光発電連動」「スマホアプリ対応」などが挙げられ、「フルオートタイプ」と呼ばれるエコキュートの最上位モデルではこれらのすべてを搭載した機種も存在します。
オプション機能のグレードが上がり、種類が豊富になるほど価格も高くなるのは自明の理です。
必要としている機能を適切に選択することが、エコキュートの交換費用にも直結することを覚えておきましょう。
水圧タイプ
エコキュートは一般的に水圧が弱めであることを指摘される傾向があります。
これは貯湯タンクなどの構造に水圧によるダメージを与えないための措置ではありますが、なかには高水圧を実現したモデルもラインナップされています。
たとえば住宅の2階以上でも快適に使える高水圧タイプのエコキュートは、通常版よりも高額となるのが一般的です。
そのため水圧タイプの強弱は交換費用に直接の影響を与えるファクターですが、シャワーヘッドを高水圧タイプに交換するなどといった工夫で問題を解消できる場合もあることから、エコキュート交換の際には細かい状況を把握・検証することが大切です。
給湯タイプ
エコキュートの機種には、大きく分けて以下3つの給湯タイプがあります。
・フルオートタイプ
ワンタッチでお湯はりから停止といった一連の給湯作業を自動で完結する、エコキュートの最上位モデルです。
なおかつ湯温・湯量を常に一定にキープする機能を有しているなど、ユーザーにとっての快適性を追究したタイプといえるでしょう。
・セミオートタイプ
ワンタッチでお湯はりを行い、風呂の利用では設定水位に達すると自動的に停止します。一方で湯温・湯量は自動で保持されるわけではなく、セミオートタイプの上位種がフルオートタイプといえるでしょう。
ただしユーザーによっては必ずしも湯温や湯量のキープを要するわけではないため、各ニーズに対応する選択肢ともなっています。
・給湯専用タイプ
文字どおり、お湯はりから停止まで人の手で直接操作するタイプです。
給湯に特化したモデルともいえ、必要最低限のシンプルな機能へのニーズも少なくないといえるでしょう。
上記の機能さから、もっとも高額なのはフルオートタイプで、給湯専用タイプがもっともリーズナブルな価格隊となります。
どの給湯タイプの機種を選択するかによってエコキュートの交換費用は大きな差が出ることから、自身の希望や需要と照らし合わせて検討することが肝要です。
エコキュート交換に活用可能な補助金とは？
エコキュートの交換費用相場を見てきましたが、実は一定の条件を満たすことで国が定める補助金が支給されます。
たとえば国道交通省・経済産業省・環境省が推進している住宅省エネ化の支援策では、エコキュートを新規に設置する、あるいは交換する際に基本額8万円の補助を受けることができます。
またエコキュートの性能の差、あるいはその他の電気設備の撤去などを伴う諸々の条件によっては、やはり最大で23万円の補助金を受け取れることは多大なメリットです。
こういった制度を活用しつつ、エコキュートの交換費用を抑える施策を取り入れましょう。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートの交換費用相場について目安を概観し、価格に差が出る項目や、活用可能な国からの補助金について解説しました。
エコキュートは機器としての歴史がまだ新しいため、正確な寿命に関するデータは十分ではありません。
しかし安全に使用し続けるためには修理よりも交換をすすめられる場合も多く、安心して日々使うためにも慎重な選択が求められます。
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