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エコキュートの給湯温度は何度が最適?節約と快適を両立する設定を解説

「エコキュートの給湯温度、何度に設定するのが一番お得で快適なの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
新しいエコキュートを使い始めた方や、買い替えを考えている方にとって、温度設定は「電気代の節約」と「毎日の快適さ」に直結する、大切なポイントですよね。

エコキュートの給湯温度は、年間を通して「50℃〜60℃」を目安に設定するのが、最もバランスが良くおすすめです。

この温度設定は、ただお湯を快適に使うためだけでなく、

  1. 電気代の無駄使いを防ぎ、
  2. 雑菌の繁殖を抑えて衛生的に保ち、
  3. 水栓(蛇口)などの機器の故障を防ぐことにつながるからです。

例えば、冬場に給湯温度を少し高め(55℃〜60℃)に設定することで、お湯が配管を通る間に冷めるのを防ぎ、結果的に追い焚きなどの無駄な電気代を抑えられます。逆に夏場は50℃で十分です。

この記事を最後まで読めば、季節ごとのおすすめの温度設定や、温度設定を間違えたときの意外な落とし穴、そしてお湯がぬるいと感じたときの簡単なチェック方法まで、すべてわかります。今日からすぐにリモコンの設定を変えて、エコキュートでお得で快適な生活をスタートさせましょう!

エコキュートの給湯温度は「50℃〜60℃」が基本!その理由を解説

エコキュートの給湯温度は、一年中50℃から60℃の間で設定することが、長く快適に使い続けるための基本です。
なぜこの温度が良いのか、理由をわかりやすく3つに分けて説明します。

理由1:電気代を無駄にしないため

「温度を低く設定した方が、電気代が安くなるのでは?」と考える人がいますが、じつはそうとは限りません。
給湯温度を低くしすぎると、シャワーや蛇口から出てくるお湯がぬるく感じてしまい、無意識のうちにお湯を出す時間を長くしてしまいます。

その結果、お湯の使用量がふえ、タンクのお湯を使い切ってしまい、電気代の高い昼間に「沸き増し」をすることになりかねません。

50℃以上に設定しておけば、手元の蛇口で水を混ぜてちょうど良い温度に調整できるため、無駄なお湯の消費を防げます。

理由2:雑菌の繁殖を防いで衛生的に使うため

給湯温度を50℃以上に保つことは、家族の健康を守ることにもつながります。
エコキュートの貯湯タンク内や配管には、レジオネラ菌という種類の雑菌が繁殖する可能性があります。このレジオネラ菌は、水温が20℃から45℃の「ぬるい」環境でとてもふえやすい性質を持っています。

給湯温度を50℃以上に設定することで、菌がふえにくい環境を作ることができ、清潔なお湯を保てます。特に40℃台など低い温度での設定は避けましょう。

理由3:水栓(蛇口)の故障を防ぐため

ご家庭で一般的に使われているシャワーや蛇口(サーモスタット混合水栓)は、エコキュートからの熱いお湯と水道からの冷たい水を混ぜて、設定温度のお湯を出す仕組みです。

この水栓は、熱いお湯と水の温度差が大きいほど、スムーズに働きます。

もし給湯温度を40℃など低く設定してしまうと、お湯と水の温度差が小さくなり、水栓がうまく働かなくなってしまいます。これが続くと、水栓に負担がかかり故障の原因となることがあるため、メーカーも50℃以上の設定をすすめています。

【季節別】エコキュートの給湯温度を使い分けて電気代を節約する方法

エコキュートは、外の空気の熱を使ってお湯を作るため、季節によって効率が変わります。季節に合わせた設定にすることで、電気代の節約につながります。

夏場(5月~9月)の最適給湯温度は「50℃」

外気温が高く、水道水の温度も高い夏場は、お湯が配管で冷めにくいため、給湯温度は50℃で問題ありません。

50℃設定でも、シャワーや蛇口で使うときには水を混ぜて温度を下げるので、やけどの心配はほとんどありません。むやみに温度を高く設定すると、沸かすための電気代が余計にかかってしまうので注意しましょう。

冬場(12月~2月)の最適給湯温度は「55℃〜60℃」

冬場は外気温が低く、水道水の温度もとても冷たくなります。

お湯が貯湯タンクからシャワーや蛇口まで長い配管を通ってくる間に、冷たい外気に熱を奪われて、約5℃ほど温度が下がってしまうことがあるのです。

そのため、冬場は給湯温度を55℃〜60℃と少し高めに設定するのがおすすめです。これにより、使いたい場所で「ぬるい」と感じるのを防げます。

春・秋(中間期)は「50℃〜55℃」で様子を見る

春や秋は、季節の変わり目で日によって気温の差が大きくなります。
この時期は、夏場の設定(50℃)から冬場の設定(55℃〜60℃)へと少しずつ調整する期間と考えましょう。

まず50℃〜55℃で設定してみて、朝晩など「少しぬるいな」と感じたら、55℃に上げるなど、細かく調整してみてください。

季節 おすすめの給湯温度 節約のポイント
夏場
(高効率)
50℃ 低すぎず、熱すぎない設定で無駄な沸き上げを減らす。
冬場
(低効率)
55℃〜60℃ 配管での熱のロスを想定し、高めに設定して追い焚きを防ぐ。
春・秋
(中間期)
50℃〜55℃ 季節の変わり目に合わせて、ぬるさを感じない範囲で調整する。

給湯温度を低くしすぎると電気代が高くなる?意外な落とし穴

「少しでも電気代を節約したいから」と、エコキュートの給湯温度を40℃台など極端に低く設定してしまうと、じつは逆効果になることがあります。

給湯温度を低く設定することで起こる、節約にならない「落とし穴」は次のとおりです。

  • シャワーがぬるく感じる→お湯の使用量が増える
    • 給湯温度が低いと、特に冬場は配管で冷めてしまい、シャワーが「ぬるい」と感じやすくなります。
    • 結果、シャワー時間を長くしたり、いつもより多くお湯を出したりしてしまい、かえって多くのお湯を使い切ってしまうことになります。
  • 追い焚き(たき)や高温差し湯が増える
    • お風呂の追い焚きや、お湯を足す機能は、タンクに残っている高温のお湯を使います。
    • お風呂の温度が低いとき、「自動」で追い焚きをしたり、手動で「高温差し湯」をしたりする回数がふえます。
    • これらの機能を使うたびに、貯湯タンクのお湯がどんどん減ってしまい、結果的に電気代の高い昼間に沸き増し運転をする原因になってしまいます。
  • 雑菌対策で余計な電力を使う
    • 前述のとおり、45℃以下のぬるい環境は雑菌がふえやすいです。
    • そのため、衛生を保つために、週に一度「高温殺菌(たっきん)運転」など、特別な運転をすることになるかもしれません。
    • これも電気を使うことになるため、最初から給湯温度を50℃以上に設定しておく方が、結果的に無駄な電気を使わなくて済む場合が多いです。

エコキュートで電気代を節約するカギは、「必要なときに、無駄なくお湯を使う」ことです。給湯温度を適正に保つことが、その第一歩となります。

エコキュートの給湯温度と「沸き上げ温度」のちがい

エコキュートの設定には、「給湯温度」のほかに「沸き上げ温度」というものもあります。この二つは意味がちがいますので、しっかり区別しておきましょう。
この2つの温度を理解することが、エコキュートを使いこなすために役立ちます。

項目 給湯温度 沸き上げ温度
意味 シャワーや蛇口から出てくるお湯の温度を決めます。 貯湯タンクのなかで、お湯を作る(沸かす)温度を決めます。
設定場所 台所や浴室にあるリモコンで設定します。 貯湯タンク側や、リモコンの設定メニューの奥の方で設定します。
一般的な設定 50℃〜60℃ 65℃〜90℃(熱いお湯)
節約との関係 季節や使い方に応じてこまめに変えると、快適さや節約につながります。 低く設定すると電気代は安くなりますが、下げすぎると湯切れの原因になります。

沸き上げ温度は「お湯の濃さ」を決めるもの

貯湯タンクの中のお湯は、給湯温度よりもずっと熱い、65℃から90℃くらいで沸かされています。
これは、タンクのお湯を「お湯の素(もと)」のように熱い状態で貯めておき、使うときに水道の水を混ぜて「給湯温度」にするためです。
例えば、

  • 沸き上げ温度を高くする(90℃):タンクに熱いお湯が濃く貯まるので、湯切れしにくい。
  • 沸き上げ温度を低くする(65℃):タンクにぬるめのお湯が貯まるので、節約にはなるが、湯切れしやすい。

となります。

沸き上げ温度は、基本的に「おまかせ」や「自動」設定にしておくのが一番簡単で節約につながります。お湯の使用量がふえたときだけ、手動で「高め」などに変えると良いでしょう。

お湯がぬるいと感じたら?給湯温度設定以外の確認ポイント

給湯温度を50℃以上に設定しているのに、シャワーや蛇口から出るお湯がぬるいと感じることはありませんか?
それは、温度設定以外のところに原因があるかもしれません。買い替えを検討する前に、次の3つのポイントをチェックしましょう。

チェック1:タンクのお湯が足りているか(湯切れ)

エコキュートは、夜間の安い電気を使って作ったお湯をタンクに貯めておく仕組み(貯湯式)です。

もし、家族がたくさんお湯を使ったり、来客が続いてお湯を大量に使ったりした日は、タンクのお湯が足りなくなって「湯切れ」を起こしている可能性があります。

湯切れになると、水と混ぜる「熱いお湯の素」が少なくなるため、当然ぬるく感じます。

  • 確認方法: リモコンに「沸き上げ中」や「お湯切れ」などの表示が出ていないか確認しましょう。
  • 対処方法: 「沸き増し」ボタンを押して、電気代は少し高くなりますが、急ぎでお湯を沸かし直しましょう。

チェック2:混合水栓の温度設定が高すぎないか

シャワーや蛇口の温度を調整する水栓(混合水栓)の設定が高すぎると、ぬるく感じることがあります。

先ほど説明したように、エコキュートの給湯温度が50℃でも、手元の水栓で42℃に設定すれば、42℃のお湯が出ます。

しかし、水栓側の温度設定が壊れたり、ずれたりしていると、正しい温度のお湯が出ないことがあります。

  • 確認方法: 水栓の温度設定を何度にしているか再確認しましょう。
  • 対処方法: 一度、水栓の温度を最大まで上げてみて、熱いお湯が出るか確認してみましょう。熱いお湯が出ない場合は、水栓の故障が考えられます。

チェック3:配管の汚れや詰まりがないか

エコキュートとシャワー・蛇口をつなぐ配管の中に、汚れや水垢などがたまると、お湯の流れが悪くなったり、温度がうまく伝わらなくなったりすることがあります。

特に、お風呂の追い焚き(たき)に使われる「ふろ配管」は、水垢や皮脂汚れがたまりやすい場所です。

  • 確認方法: お風呂の浴槽にある追い焚き口(循環口)のフィルターを外して、汚れが溜まっていないか見てみましょう。
  • 対処方法: 市販の配管洗浄剤を使ったり、業者に依頼したりして、配管をきれいに掃除することで、お湯の出が良くなり、ぬるさの改善につながることがあります。

まとめ

この記事では、エコキュートの給湯温度について、節約と快適さ、そして衛生面から見て最適な設定方法を解説しました。

項目 最適な設定 理由
基本の給湯温度 50℃〜60℃ 節約、衛生、水栓の故障防止の3つの面で、バランスが取れているため。
季節ごとの調整 冬場:55℃〜60℃ 夏場:50℃ 外気温によるお湯の冷めやすさを考慮し、無駄な追い焚きを防ぐため。
温度設定の注意点 45℃以下にしない 雑菌(レジオネラ菌)が繁殖しやすく、水栓の故障につながるため。

エコキュートは、夜間の安い電気を使ってお湯を沸かす、とても賢い給湯器です。その賢さを最大限に活かすためには、給湯温度を「なんとなく」で決めるのではなく、季節やご家庭の使い方に合わせて、こまめに設定を見直すことが大切です。

今日からすぐにリモコンの設定を確認して、給湯温度が50℃より低くなっていないかチェックしてみてください。正しい温度設定で、電気代の節約と快適な毎日を手に入れましょう。

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